ダイレクトレスポンスマーケティングで音楽業界に恩返しを誓う!
たけやんこと、永田武です。
さて、
連夜お届けしているSHOW-KA物語。
今日も続きをどうぞ。
お好きなところからどうぞ
『誰や?』
そう言いながら事務所の奥からムクリ起きる影。
Y先輩『あ、Iさん』
Iさんと呼ばれたその男性は、
頭にタオルを巻き、無精ひげの生やし、
どう見ても、30代の中年だった。
Y先輩『人、連れてきました。バスケ部の後輩です』
そう言いながら私と同級生を紹介するY先輩。
Iさん『おう。二人とも高専か。何年や?』
『3年です』
Iさん『おぉ、じゃあ3つ下の後輩か』
!!!!
衝撃。
中年だと思っていたIさんは、まさかの20歳。
しかも同じ学校の先輩だったのだ。
Iさん『お前ら夏休みは何してるんや?』
『まぁ部活とか、あとバイトとかですね』
Iさん『そうか。よし。来れるなら毎日来い』
(えぇ~~~強引~~~(笑))
これは本当に、
誇張無しにこんな感じだった。
Iさん『ホント今人が足りてないんや』
『っていうか、これって何の祭りなんですか?』
私がそう聞くと、Iさんは私たちの前に座り、
そして、こう言った。
Iさん『お前ら、毎日楽しいけ?』
え……。
35歳の今の私であれば、
迷わず『はい!楽しいです!』と言うだろう。
しかし、
当時18歳だった私はこの質問に対して、
素直に首を縦に振ることはできなかった。
かと言って、つまらなかったわけでもない。
適度に部活をし、適度に遊び。
言うのであれば、
可もなく不可もなくな日々。
それが18歳の私の答えだった。
『……どうでしょう。普通……ですかね』
Iさん『そうか。
俺は毎日が面白くねぇなって思ってな。
こんな人もいない小さな町で、
自分たちの遊ぶ場所なんてあるか?』
Iさん『だから、遊ぶ場所を自分で創ろうと思って、このイベント、祭りをやるんや』
遊ぶ場所を自分で創る……。
そんなこと考えたこともなかった。
過ぎ去る日々、流れるような日常。
家に帰ればご飯がでるし、
学校に行けば授業がある。
それが私にとっての世界だったし、
それが私にとっての当たり前だった。
場所を創る?
そんなことできるのかよ……。
何言ってんだ?この人……。
顔を見合わせた同級生も同じことを思っていただろう。
しかし、
目の前の年上の無精ひげの男性の目は、
まぎれもなく真剣そのものだった。
Iさん『普通か。……お前ギター弾けるか?』
『はい……、少しなら』
Iさん『よし。ちょっとこっちこい』
言いながら、奥から一本のギターを出し、
それを持って事務所の玄関へと向かう。
よく見たらこの事務所、
そこらじゅうにアコースティックギターや、
タンバリンやパーカッションなどなど、
いたるところに楽器が置いてあった。
外に出ると、そこにパイプ椅子を置き一言。
Iさん『よし。なんでもいいからギター弾いて歌え』
これが私の生まれて初めての、『路上ライブ』だった。
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