ダイレクトレスポンスマーケティングで音楽業界に恩返しを誓う!
たけやんこと、永田武です。
さて、
連夜お届けしているSHOW-KA物語。
今日も続きをどうぞ。
お好きなところからどうぞ
今まで路上ライブは数えきれないほどやってきた。
地元の福井県ではもちろんのこと、
それこそ全国ヒッチハイクの旅をしていた時は、
路上ライブで日銭を稼いで生活していたので、
日本全国歌わなかった県はないだろう。
そんな私の初めての路上ライブが、
1997年の夏、武生という街で歌った、
この瞬間だったのだ。
カラオケなどはよく行っていた。
部屋でギターを弾きながら、
軽く口ずさむこともあった。
しかし、
まさか自分が路上に出て、
歌うことになろうとは……。
Iさんは私にギターを渡すと、
さっさと部屋に戻っていった。
気が付いたら足元には、
『90年代ヒットソング集』
という歌詞とコードが書いてある、
いわゆる『ネタ本』が置いてある。
(なんなんだ……あの人……)
そう思いながら、どこか高揚している自分。
(やるだけやるか……!)
そして私は、
尾崎豊の『15の夜』を大熱唱した。
事務所で聞いていた同級生曰く、
『めちゃくちゃ熱い顔してたぞ』
とのことらしい。
武生という街は人口も少なく、
その時も人通りがまったくなかった。
いわば、
無人の道で歌っているだけの若者である。
だけどこの瞬間、
自分にとっての数分間は、
今まで組んでいたバンドのどのステージより、
興奮し、高揚していたのは事実だった。
自分が声をあげて、
『ここにいるぞー!みてくれー!』
と叫んでいるような感覚。
尾崎豊の歌だからというわけではないが、
無駄に熱く、そして楽しかった。
気が付くと、Iさんが後ろにいた。
Iさん『俺はこういう熱くるしいライブ創りたいんやってな』
Iさんが言っていた、
『自分の遊び場所は自分で創る』
というその意味が少しだけわかった気がした。
そこからIさんは、
この『FESTA SHOW-KA』というライブイベントについて、
『趣意書』なるものを出し、説明してくれた。
昇華:想いを昇華させる。
消化:暗い気持ちを消化させる。
唱歌:みんなで歌う。
消夏:夏の暑さを吹き飛ばす。
しようか:~~しようかというきっかけを作る。
SHOW-KAという意味には、
色々な想いが含まれていた。
たかだか小さな町に集まった若者が創るイベントである。
大規模な予算もなければ、なにか権限があるわけでもない。
しかし、
その時私は『自分で自分の居場所を創る』という、
本当の意味での『遊び』の魅力にとりつかれていた。